フェルメールの有名な絵から
当時のギターを
考察してみたいと思います。
この絵は1670年代の作品。
まだ、バッハが生まれる前に
描かれています。
バロック音楽の時代。
このフェルメールの有名な絵は
ロンドン郊外にあり
博物館では無料で
鑑賞できるそうです。
貸し出しもしておらず
日本にも来たことがない。
ロンドンには
世界三大美術館といわれる
大英博物館も無料。
ヨーロッパ芸術の財産の
懐の深さを感じます。
1670年頃描かれた
「ギターを弾く女」
当時は全盛であったろう
リュートではなく
ギターというのがいいですね。
ギターやリュートは
女性が弾くものという
習慣もあったとか。
この絵の女性の視線を見ると
合奏を
やっているようにも見えます。
メロディーを弾いているのか?
伴奏を弾いているのか?
伴奏楽器
メロディー楽器
両方とも同時に弾く独奏楽器
として弾けるギター。
ピアノのような大きな楽器と違い
持ち運びにも便利です。
これはコンクールなど、
遠征先で演奏があるとき
ちょっと楽屋で弾くというのも
自分の楽器で可能。
当たり前のように思いますが
ピアノ奏者は
コンクール出場の当日、
遠征のために
ピアノ教室をやっているお宅などに
会場に入る前に
朝から少しピアノを
弾かせて欲しいという
依頼をするくらいです。
さらに、この絵を見て
独奏という発想だけでなく
合奏をやっているのではないか?
という視点が出ててくるのも
ギターならでは。
少し小さいようですが
こちらは
ギタッラ・バッテンテと呼ぶようで
ピックで弾いていたようです。
(写真参考:浜松楽器博物館)
サウンドホールの
彫刻や貝の模様が印象的。
弦の数も10本あります。
確かに絵の方も
ヘッドに10カ所、
弦を留める所が描かれています。
今では
ロックからポップス
クラシック、ラテン、ジャズなど
あらゆる時代、世代
あらゆる世界の音楽で
必ずギターは出てきます。
単音を弾くだけで楽しめて
和音で世界が変わり
合奏やアンサンブル、
バンドで人生が変わる。
ギターは
これからも、さらに進化して
人々の心に密着していく
楽器であることは間違いありません。